研究室紹介

 

研究室の構成

本研究室では甲斐博准教授の指導の下,9名の学生(大学院生 M2:1名,M1:3名,学部4年生:5名)が,数式処理システム,数値数式融合計算,情報セキュリティに関する研究を行っています.

テーマ「数式処理システム」について

数式を記号のまま正確に計算するためのソフトウェアのことを数式処理システム(Computer Algebra System)と言います。数式処理システムの研究には、ソフトウェアの実装技術とともに、正確な計算を効率的(計算回数、メモリ使用量などが少ない、あるいは、使用するハードウェアに最適化された実装)に行うための計算アルゴリズムが重要であり、そのためのアルゴリズムや実装方法について研究します。それだけでなく数式を扱うため数学(特に代数)の知識も必要とします。数式処理システムにより、因数分解、連立代数方程式、微積分、微分方程式などの数学の問題が正確に計算できます。システムにはMaple,やMathematicaがあります。国産のシステムとしてはRisa/Asir(富士通、OpenXMプロジェクト)やgal(筑波大学)が有名です。

テーマ「数値数式融合計算」について

与えられる式が不正確だった場合の代数演算を考えることが研究内容になります。近似代数とかハイブリッド計算とも言います。もともと筑波大学名誉教授の佐々木先生と愛媛大学名誉教授の野田先生(私の指導教員)が近似GCDを1989年に発表しました。1変数多項式の係数に誤差が含まれる場合でもGCD計算を行うというものです。現在は数式処理システムに関する国際会議/国内学会での1つのトピックになっています。

テーマ「情報セキュリティ」について

数式処理システムと同様に、代数や数論と深いかかわりがある暗号理論に興味を持っています。暗号理論は情報セキュリティに関する研究の一分野になります。 情報セキュリティについては、数式処理アルゴリズムを応用した秘密分散法に関する理論的な研究、認証方式に関する研究、マルウェアやネットワークの可視化に関する研究を行なっています。

論文リスト

researchmapをご覧ください(外部ページに飛びます).
または
愛媛大学教育研究者要覧をご覧ください(愛媛大学のページに飛びます).

研究/指導体制

輪講

研究グループ配置になったばかりの4年生は,4月-10月頃まで輪講形式でゼミを週2回行い,英語技術文書の読み方・内容理解,プレゼンテーション技術を学びます.また研究室配属後早い時期に,卒業論文に向けた研究も開始します.

学生ミーティング

研究の進捗報告のため,学生ごとに打ち合わせを行います.

学会発表

大学院生になると,専門分野の学会や研究会で平均2回以上の発表を行います.

共同研究など

●医療法人ゆうの森、高橋寛研究室

「在宅医療制度(訪問介護)を容易かつ正確に運用するためのスマートフォン用アプリ開発」

共同研究(2017)

●神戸大学森井昌克研究室

「愛媛大学-神戸大学セキュリティ共同研究」

共同研究(2013-現在)

●共立電気計器(株)

「人工物メトリクスと認証クラウドを利用した模倣対策と電気計測器の試作開発」

受託研究(2013)

●大栄電気

「認知症診断支援システム」開発のための通信セキュリティ技術の研究開発」

共同研究(2008)

●ジャストシステム

「xfyの数学文書処理に関する研究」

共同研究(2005-2009)

●筑波大学数学系佐々木健昭研究室

「近似代数アルゴリズムの開発と応用」

科研費分担(テーマ:近似代数アルゴリズムの工学応用)(2004-2009)

表彰など

田原直哉, LOISグッドプレゼンテーション賞, 電子情報通信学会LOIS研究会, 2022

浅沼和希,学生奨励賞,情報処理学会第82回全国大会,2021

福嶋貴幸,ヤングリサーチャー賞,第15回情報科学技術フォーラム,2016

福嶋貴幸,FIT奨励賞,第15回情報科学技術フォーラム,2016

共同,奨励賞,情報処理学会第8回情報システム教育コンテスト,2016

福嶋貴幸,FIT奨励賞,第14回情報科学技術フォーラム,2015

浦辻和也,FIT奨励賞,第13回情報科学技術フォーラム,2014

片岡正彰,学生奨励賞,情報処理学会創立50周年記念第72回全国大会,2010

4年生,大学院生の主な進路

愛媛大学大学院

富士通株式会社,富士通エフ・アイ・ピー株式会社,株式会社富士通エフサス,

株式会社富士通ビー・エス・シー,

NEC,NECソリューションイノベータ株式会社,

NTTデータ,NTTコミュニケーションズ,NTTコムウェア,

日立ソリューションズ,京セラ株式会社,

三菱電機株式会社,

デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社,STNet,など(順不同)

大学院生の人数

2023年:M1(7人)、M2(5人)高橋先生・王先生と合同で指導

2022年:M1(4人)、M2(6人)高橋先生・王先生と合同で指導

2021年:M1(5人),M2(4人)高橋先生・王先生と合同で指導

2020年:M1(3人),M2(1人)高橋先生・王先生と合同で指導

2019年:M1(1人),M2(3人)

2018年:M1(3人),M2(2人)

2017年:M1(2人),M2(1人)

2016年:M1(1人),M2(4人)

2015年:M1(4人),M2(3人)

2014年:M1(3人),M2(2人)

2013年:M1(2人),M2(2人)

研究生の人数

2016年:研究生1名(ブラジル)

2011年:研究生1名(パラグアイ)